March 18, 2005
何だかなー,まただらだらと…。
最近,情報産業は従来の建設業界とにているという見方を目にした。大規模化し,単純労働者が増え,デザインや設計と開発が明確に区別され,組織構造は大手から下請けへのピラミッド形になっていく。
光ファイバー通信の各家庭への普及は,家の前の道路が舗装されたり,高速道路や新幹線が地方まで伸びるのとおなじように捉えられないだろうか。
かつて田中角栄は地元新潟へ高速をひっぱり,国道を作り,その道路を走るバスまで作った。同じように,地元まで光ファイバーをひっぱて来てプロバイダまで整備する政治家はたぶん出てこないだろうが,「IT族」などとよばれる政治家や,それと癒着する業界の利権構造ができてもおかしくない気がする。
また,肉体労働をする人々が一般的にあまりよくない環境にあるように,一見クリーンに見えるディジタルな単純労働者のおかれる環境も労働時間や精神衛生などの面でかなり劣悪らしい。むしろディジタル労働のほうが,中小企業が多く,業界が未熟な分保護するしくみが整ってないため,より危険かもしれない。
しかし,これらのことを言うためだけに,わざわざ「情報=土建」論を紹介したわけではない。不動産や土建がいまのITのように好ましい存在,経済の成長を引っ張るような分野と思われていたという時代をなんとなくでも想像し理解できるような気がするからだ。僕のような80'sに生まれた,バブル以降しか知らない世代にも,である。
そして情報産業で食べていくことになるだろう僕のような人間は,建設業界が自分自身ををぼろぼろにしてしまったという過ちをよくみて,繰り返さないように,新しく生き方見つけなければならないのだろう。
などなどなど…と石田衣良『アキハバラ@DEEP』を読みながら考え始めて,
読んでからだいぶ経っても考えているのですよ。